羊です。「木蓮の葉を描く」続きです。前回は、下絵の所まで説明しましたが、木蓮の葉のように手元に置けないもの、例えば鳥などを描く場合は、主にスケッチを基に下絵を描きます。描く鳥だと良くわかるように、自分の感じた印象を大切に、描く向き、識別のポイントになる特徴などを逃さないようにします。また、例えば、風切り羽根の数がおかしいといった間違いがないように、図鑑なども参考に下絵を作ります。下絵ができたら、いよいよペンで描いていきます。ペンは丸ペンを使っています。日光のものを主に、ゼブラのものも使います。ゼブラの方が少し硬い感じです。描いているとペン先は、だんだん摩滅してきます。そんな時、すぐに取り替えられるように、数本用意しています。摩耗したものもその大きさを必要とする点や太さの違う線を描くために保存しておきます。もっとも私はあまり線を使うことはありません。インクは始めハヤシインクの製図美術用というのを使っていましたが、今は、ペン先からよりスムーズに流れ出るように思い、開明の書道用液墨「墨の華」を使っています。写真にあるように、「墨の華」をハヤシインクの入っていたプラスチック製の小瓶に分けて入れています。この小瓶、もう40年以上、使っていることになります。さて、ペン先に液墨をつけ、下絵に従って描いていきます。液墨はあまりたくさん付けすぎるとペン先からぼたりと落ち、絵を台無しにすることがあります。最近はありませんが、何度もそんな失敗をしました。今回の木蓮の葉は、まず、影の部分から全体の明暗の調子を見ながら、点を打っていきます。ムラにならないように点と点との攻め合いを平均になるようにします。ペンを寝かしすぎると、点が丸くなりません。絵によってはそんな丸くない点や大きさの違う点も使いますが。写真にあるように、ペン先を調整する紙を一枚用意しておきます。描いていると、ペン先が摩滅してきたり、開いたりしてきて、墨液が出にくくなることがあります。そんな時、この紙の上でペン先を動かし調整します。今回は、写真にあるように半分と少し描きました。(木蓮の葉を描くⅢに続く)